コトラの制度

住宅手当の話(コトラのカルチャー)

今回はコトラの住宅手当のお話です。コトラには、よりよい方法や選択肢を柔軟に取り入れていくカルチャーがあります。合理的な選択肢であれば、提案が受け入れられることも多くあります。住宅手当がその一例です。(以前お伝えした社員旅行の話も通ずるところがある気がします。)

コトラでは、オフィスから30分以内の場所に住むと住宅手当として3万円が支給されます。(渋谷にオフィスを構えるITベンチャー界隈では結構一般的なやつです。とはいえ、人材業界ではたぶんレア。)しかし、この制度は以前からあったわけではありません。実は昨年2018年の8月から施行された制度です。

それまでは、給与と別に上限5万円として交通費が支給されていました。この場合、可処分所得を増やすという観点では、家賃の安い郊外に住むことが合理的な選択となってしまいます。なぜなら、交通費が支給されるため、家賃が安ければ安いほど可処分所得が増えるという構造になっているからです。しかし、会社負担となるコストをとりあえず無視して考えても、長時間通勤には、時間と精神的なストレスがかかる等多くのデメリットがあります。「片道1時間の通勤がもたらすストレスの高さは、毎月40%余分に給与を稼がなければ割に合わない」という研究(Stutzer, Alois and Bruno S. Frey, “Stress That Doesn’t Pay: The Commuting Paradox,” 2004, p.17)もあるように、精神的なストレスや時間のロス、また、時間のロスによる睡眠不足等、長時間の通勤がもたらす弊害は多くあります。通勤時間の削減は、社員の健康面を考えても有益です。

これらの理由に加えて、交通費を5万払うよりは、3万の住宅手当+交通費(近距離なので0~1万程度)を払う方が総額が安く済むこと、そして災害等で交通網が麻痺した際にオフィスにアクセスしやすい社員が複数いることになるといった観点から、会社にとっても有益な側面もあります。全体としての効用が高いため、具体的な(と言いつつもかなりざっくりした)提案からわずか1ヶ月半で、住宅手当の制度が施行されました。通常の交通費と別に、会社から30分以内のところに住むと持家・賃貸に関わらず、月3万円の支給があります。持家・賃貸関わらず支払われるということから、家賃補助ではなく、住宅補助という名称が使われています。

住宅手当の制度が出来たこともあり、私も最近引越しをしました。引越しで30分は通勤時間が減り、今では20分以内で通うことが出来ます。部屋は狭いですが、生活の質が格段に良くなり、有意義なコトライフを送ることが出来ています。