コトラのカルチャー

「コトラのカルチャー」〜第3回 教え合うカルチャー〜

引き続きコトラの協働の文化を取り上げて特集記事を書かせていただきます。今回は、コトラ社内での「”教え合い”の文化」をお伝えしたいと思います。

【特集】〜コトラの「カルチャー」 第3回〜

人材紹介の業務はビジネスの起点から終わりまで、個人で完結させることが可能であるために、個人商店の集まりだというイメージを持たれることがあります(第0回の記事参照)。特にコトラのコンサルタントは、自立したプロフェッショナルとして結果を求められます。自分の成果を重視する姿勢が行き過ぎると、教え合う文化は浸透しないようにも思えます。ですが、実際にコトラの業務中の姿を見ていると、社員であるコンサルタント同士、互いにアドバイスをしあっている場面を多く見かけます。なぜコトラでは「教え合う」というカルチャーが根付いているのでしょうか。

 

https://career-ed-lab.mycampus.jp/career-column/707/ 「平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは?」

当初、私は「教え合う」という行為は、情報を受け取る人のメリットのほうが多いと思っていました。しかし、「”教え合い”の文化」が社内に浸透しているということは、情報を伝える人にも相応のメリットが存在すると思い、ふと私の高校生時代の話を思い出しました。私が大学受験に向けて勉強をしていたとき、当時の高校の先生からよく言われていた効率の良い学習方法は、「人に教える」ということでした。アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「ラーニングピラミッド」という図(上部参照)で表すことができます。学校の授業や会社の新人研修などでは、講義・実技・議論などさまざまな方法で学習を行いますが、学習時間が限られた状況では、より効率の良い方法での学習がスムーズに学習内容を身につけることにつながります。

ラーニングピラミッドによると、学習定着率が50%を超える学習方法は「グループ討論」「自ら体験する」「他の人に教える」などのアクティブ・ラーニング、つまり自主的に動き、学ぶことであります。では、この研究を前提として「教え合う文化」にはどのような効果があるのでしょうか。

 

「教え合う」という文化は情報を伝える人からすれば前述の通り、「説明のために時間を取られる」「後輩の成長が自分の成果奪う可能性を生む」などのデメリットを含んでいるとも考えられます。しかし、このカルチャーには伝える人受け取る人の両者に、それらの上回るメリットがあります。メリットとしては以下のサイクルが考えられます。

  • 受け取る人にとって伝える人との距離が近いことから、質問がしやすく、受け取る人が当事者意識を持ちやすい
  • その質問によって、伝える人の理解度を測ることができる
  • 自分の言葉で説明するため、伝える人の理解が深まる

1点目は、受け取る人のメリットです。

座学形式の研修だと、その流れを遮って質問をするのはためらわれることもありますが、この方法では、そのハードルを下げ気軽に質問できるようになっています。また、座学だと人はどうしても受け身の姿勢になりがちです。自分の頭で考えるという環境づくりにも一役買っているわけであります。

2点目は、伝える人のメリットです。質問に対して、相手が納得できるように答えられるかは、理解度を測るポイントとなります。たとえ答えられなくても、伝える人が勉強するきっかけとなるので、受け取る人が質問してくれることはありがたいのです。

3点目は、理解度を高める観点で大きなメリットです。専門書などの受け売りではなく、自分の言葉で説明できると、理解が深まるのです。専門書に書かれていることだけでなく、伝える人がその部分で疑問に思って解決した経験などを交えることで、内容に厚みが出ますし、同じ疑問を持つ人にとっての足掛かりとなるでしょう。

社員インタビューの記事でも書かせていただきましたが、コトラでは自分の頭で考えて働くことが求められています。ピラミッド上の「自ら体験する」に当てはまる行動、つまり学習定着率は75%です。この定着率をさらに上昇させる役割を果たすものが「教え合う文化」になります。ピラミッドの一番底「他の人に教える」行動は、学習定着率が90%です。このラーニングピラミッドによるならば、「教え合う文化」を取り入れた就業環境はとても理にかなった体制であると言えそうです。

文化が生み出すサービスの質

コトラの社内には、「エージェント業は、情報が命」という考え方が浸透しています。また、コトラは情報共有を非常に大切にしている会社です(第1回参照)。具体的な情報共有方法としては、社内SNSが挙げられます。社内SNSで、ある人が投稿した情報に対し、他のコンサルタントが別視点からコメントをするといった場面がよく見受けられます。この場では特定の人が教える役割を担うのではなく、社員全員が情報発信者となり得ます。これは管理職を置かず、コンサルタント同士がフラットな関係にあり、余計な気を使うことがないため文化として根付いていることかもしれません。

コトラのコンサルタントは金融、IT、コンサル、経営層、製造業等、業界の経験者がほとんどです。そのため、業界内事情をリアルに知っており、求人の質や自身の経験も含めたキャリアアドバイスは有用なことが多いです。業界出身者が集まり日々情報共有を大切にしているからこそ、転職を希望するみなさまのスキルを理解することができ、業界や職種情報を詳細にご提供することができるのです。コンサルタント各々は「教え合う文化」がサービスの質を最大化することを理解しているため、この文化が根付いているのだと感じました。